夏の青 ・


「じゃあ、そっくり返すけど、
 だったら私は何色なの?」


カヨはポッキーを2本同時にかじって、私を見た。


「ツカサの色?」


私は口に残る甘さを転がしながら、白く輝く空を見た


「ツカサはー…青かな」

「ふーん」


瞼がすこし重い
昨日の深夜番組は格別に面白かったから。


「ふーん、て。
 なんで?とか聞かないの?」

「まあ、いいやあ
 また今度きく。」



ああ、朝になってしまったんだ
今頃そう思った。


「私が青で、カヨが白で、
 空の色みたいだね」

「今日は曇り空だから、
 あたしが強い」

「なにそれ」


私は笑った。



また詰まらない1日が始まる

今日が終われば望んでもいない明日がくる

それはなぜか聞いたって納得する答えは誰も言わない



ガラガラ、と教室のドアが開いた

これからの時間は、いわば登校ラッシュ。


静かだった教室は少しずつ壊される。


そのうち此処は男と女がひしめきあって、下らない色恋話に花を咲かせるのだろう。



うんざりしながら、
私は目を閉じた。




end.
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