白いジャージ2 ~先生と青い空~


美味しいお肉と大好きな笑顔に…トロけそう。




…ボ―――ン…




突然大きな時計の音に私も先生もビクッとした。



右後ろの壁掛け時計は、この店で唯一正しい時刻を示していた。


びっくりした私達に、厨房から顔を出したコックさんがペコリと頭を下げた。



「いいね…ここ。大好き。また来たい。」



「うん。毎年来ようなぁ。おじいちゃんとおばあちゃんになっても…ここ来ようなぁ。」




先生は運ばれてきたばかりのゆずシャーベットを口に含みながら照れ笑い。




「うん。絶対来る。ここ落ち着くね。帰りたくない…」



「いいよ、ずっといて。コーヒー飲むか?」






さり気なく上げた右手が、どれだけ素敵だか知ってる?




指を2本立てて、



「コーヒー2つ」



って…たったそれだけのことが、私をキュンとさせる。





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