白いジャージ2 ~先生と青い空~
「あの廊下から見た夕日と…同じ夕日なんだな。」
先生が沈む寸前の夕日を見つめながら呟く。
いつの間にか、先生の手が私の手を握っていた。
「ほんとだね。今の夕日が、あの廊下からも見えるんだ…」
不思議だった。
今、見ていた夕日は、ここだけのもので
ここでしか見られないような気がした。
同じ太陽を
東京でも大阪でも北海道でも
見ている人がいる。
地球ってすごい…
なんて感心してしまった。
「名残惜しいな…」
帰り始める人達を見ながら、先生と私はまだ座っていた。
見上げた空は、見る見るうちに群青色に変わっていく。
夕日に圧倒されて逃げ出していた雲達が一斉に姿を現した。
「明日も見ような。明日は、星が出るまでここでずっと空を見ていたいな…」
先生が、私の肩を抱いた。
そして、耳元にキスをしながら言った。
「お前と一緒に見れて良かった。」
先生のばか…
涙出ちゃうじゃん…
私を喜ばせる天才だよ、先生は…