白いジャージ2 ~先生と青い空~



胸が痛くなった。


うつむく私の肩に優しく手を乗せた先生が言った。



「沖縄に旅行に来て、そのまま永住してしまう人もいると聞きました。でも、現実は厳しく・・・職も見つからず車の中で生活したりする人もいるとテレビで見たことがある。」




私もテレビで見たことがあった。



好きだから、綺麗だからと勢いで引越しして、

結局、苦労して生活できなくなる人がいるって。




「本当にゴミの量がすごいんです。」



2人の目を見ていると痛いくらいに気持ちが伝わってきて、辛かった。



この綺麗な海と景色を守るために

私達に何ができるんだろう。




沖縄に限らず、どこの観光地でも同じような問題が起きているんだろうと先生が言った。




みんな自分の家の前にはゴミを捨てないのに、

自分に関係ない場所にはゴミを捨てるんだ。





自分の自転車のかごにゴミが入れられていた時の気持ちは

入れられたことのある人にしかわからない。




軽い気持ちで捨てたゴミが

人の心を傷つける。




「重い話をしましたが、気を取り直して行きましょう。少しでも今の話を広めてくれると嬉しいんですが。」




黒いお兄さんが船の操縦席へと移動した。






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