白いジャージ2 ~先生と青い空~


誰もいない海岸。


波の音と

風の音。




早起きのやどかりがカサカサと急ぎ足で移動する。




「直・・・」


手を

差し伸べる先生に

小走りで駆け寄る。




「せんせー!!」


しっかりと握られた左手には

輝くリング。




「そろそろ始まるぞ!日の出…」


ここが雲の上のように感じる。



どこまでも続く水平線と

真っ白な薄雲が重なり合う。



その白に溶けてゆくような眩しい朝日。



やどかりの引越しを横目に見ながら、

朝日の昇る瞬間に

キスをした。




「やっと見れたな・・・直。俺、幸せ~!!」



私の肩におでこを乗っける先生…


甘える先生の髪に触れる。



手を握り、寄り添いながら、2人で眩しい朝日を見つめた。








< 3 / 354 >

この作品をシェア

pagetop