白いジャージ2 ~先生と青い空~

満天星




群青色に染まった空に一番星が輝く。


つい1分ほど前まであんなに明るかった水平線。


あんなに存在感を主張していた水平線が、海へと吸い込まれる。




さっき、ビーチサンダルを拾った男の子が、お父さんに手を引かれ、私達の方へ来た。




「さっきはありがとうございました。このサンダル、旅行のおみやげにって今日買ったばかりだったんです。本当にありがとうございました。」




先生と私も立ち上がり、ペコペコと頭を下げた。


先生はしゃがんで、男の子の頭を撫でた。




見えなくなるまで手を振る男の子を見ながら、小さな声で先生が呟く。





「男の子もいいなぁ・・・」




何気なく言った言葉に


私の胸が少しだけ痛む。




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