白いジャージ2 ~先生と青い空~


帰り支度を終えた直がピンクのTシャツに半ズボン姿で、部屋をほうきで掃いていた。



「先生!砂だらけだよ~!」




畳の上の砂を集めながら、直は名残惜しそうに部屋を見渡した。





「次も、この部屋な!」







宿を出なきゃいけない時間が迫っていた。




俺も直も、この部屋、この庭・・・

そして、この島から出たくなかった。





初めて訪れたはずなのに

昔から何度も来ているような錯覚。




俺はビーチサンダルの砂を払い、干していたタオルを取り込んだ。


あと少しで終わる。



直と俺の最初の旅が…




宿のおじいさんとバイトの女の子にさよならの挨拶をした。





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