白いジャージ2 ~先生と青い空~



修学旅行の夜を思い出す。

大好きな人と一緒に修学旅行に参加できたのは私だけだった。

先生に会いたくて廊下をうろうろしてたね。



自動販売機の音が響く旅館の廊下。



彼氏のどこが好きか、夜中まで話してたっけ。




言っても言っても終わりがないくらいに3人とも『好きな所』がたくさんあった。




そして、今も変わらずどんどん出てくる彼氏の好きな所。


依子は、朝食の食パンをかじる龍の顔が好きだと言った。

重いスーパーの袋を何気に持ってくれる優しさが好きだって。



ゆかりはね、バイト中のたっくんの後姿と、声が好きだと言った。

喧嘩の多い2人。

別れたり、他に気になる人が出来たりいろんなことのある2人だけど

きっと、この先も変わらず2人は一緒にいるだろう。



私は相変わらず、先生マニア炸裂で…

コーヒーを冷ます時の口とか、

パソコンで仕事している時の横顔とか…



こんな風に3年後、5年後、10年後も…


今と同じ相手にドキドキしていたいね。




3人とも


大好きな人と結婚できるといいな。






見上げた空は、また顔を変えていた。


小さく浮かんでいた雲達は、大きなひとつの雲になって、

優雅に空を散歩していた。


 


   ◆◆◆◆◆◆




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