白いジャージ2 ~先生と青い空~
~WIND-5~【先生目線】

午後の雲



【先生目線】







太陽の位置から想像すると、今は午後2時頃。



午後2時の日差しは

俺と直の背中をこんがりと焼く。





水着に着替えた直の背中に塗った日焼け止めは

もう役に立たないだろう。




砂浜にただ寝転んでいるだけなのに

心も体もどんどん癒されて、透明になってゆくようだった。





愛する人との旅は


俺にとって忘れられないものになる。






午前中には雲ひとつなかった空に小さな雲が顔を現す。


遠慮がちに空の端っこに顔を出した雲は

少しずつ太陽に向かって近付いてゆく。




それは


まるで


最初に直に恋をした時の俺のようだった。



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