負け組女子高生
マリエをおいかけて下駄箱まで行くと、彼女は乱暴に靴を地面に落とし足を突っ込んだところだった。
「マリエ…」
私に気付くとマリエは精一杯の笑顔を浮かべ、つぶやいた。
「ごめん、麗華。やっぱ無理…堪えらんない。」
それだけ言うと、マリエは走ってでていった。
私はただ呆然と立ち尽くした。
そして、重い足取りで教室に戻るとマリエの机は綺麗になっていた。
教室に入った私に優子と彼女の数人の友達が駆け寄ってきた。
「マリエ、帰っちゃったの?エリ達ちょっと…ひどいよね…」
優子は心底悲しげに眉をひそめた。
机を片付けたのは優子達だろう。
ひどいと思うならなんですぐエリ達に言わなかったんだろう。
ずっと教室にいた彼女達ならすぐエリ達の行いに気付いたハズだ。
結局自分の印象を維持したいだけじゃないか。
優子の偽善者演技を軽くあしらって私は自分の席に戻った。
それからマリエが学校に来る事はなかった。
そのまま夏休みに突入して、夏休みがあけた頃には教室に彼女の机はなかった。
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