境界

私を殺して!

 一ヶ月後

「私を殺して。」

と僕の携帯に突然メールが入る。

 そのメールと同時に、
幸子の友人である由起子からも、僕にメールが来た。

「今、さっちゃんから変なメールが来ました。
殺してと言うメールです。
何かあったのですか?」

 あまりにも突然の出来事なので、
気が動転してしまい、頭の中が真っ白になっていた。

 慌てて、幸子のもとに駆けつけた。

「どうしたんだ。何があったのか?」

「ごめんなさい、怒らずに聞いてくれる。」

「何のことかわからないから、怒るかどうかも、応えようがないよ。」

「いいから、約束して、怒らないと。」

 幸子の気迫に圧倒され、僕は約束した。

「怒らないから、話して。」

 幸子は泣きじゃくりながら、話し始めた。

「実は、私浮気してるの。」

 僕には何のことか全くわからなかった。
 幸子が浮気をしているなんて、
疑ってもいなかったし、信じたくもなかった。




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