*SWEET LESSON*

*weeds taste*

*One*

大和のお母さんの化粧台にあった、高級香水を体中に振り撒かれ

むせかえる匂いに鼻を塞ぎながら　今度は化粧品まで拝借。



「ねー…まずいよ…」


「…何が」


悪びれる様子もなく、あたしのスッピン顔にペタペタとリキッドファンデーションを塗ったくる彼。


「だって、これみんなお母さんのでしょ？」


「それ以外に誰がいる？父親がこんなもん持ってたら俺は家を出てる」


「いや、そういうことじゃなくて。


このロゴ、高級ブランドのものだよね？こんなに惜しげもなく使っていいのだろうか…」



しかも無断で。



その一つ一つがきちんと箱に入っていて、あまり使われた様子が無いせいもあってか


罪悪感がどんどん増していく。



「こいうもんは使ってなんぼだろ。高いからといっていつまでも仕舞って置くのは貧乏人のやることだ」



な…!!!こいつ、金持ちだからって言って良い事と悪いことがあんだろぉぉ!!!


どーせあたしは高い化粧品の一つも持ってない貧乏人ですよ!!


ドラックストアで全て揃えてますけど何かーーーー！？



イライラしつつ、顔に触れる大和の手と、ブラシの心地よい感触で反論することはなかった。



……というか、本音を言えば一度はこういう化粧品も経験したいじゃん？えへへ





しばらく身を預けていたら



「出来たぞ」



と声をかけられた。



どんな出来になっているかと鏡を覗き込むと…