真面目なあたしは悪MANに恋をする
片岡君は茉莉からきたメールを知ってる

元旦のバイトの帰り道に、片岡君に話をした

気にする必要はないって言ってくれたけど、怖いよ

大学の教室に入ったら、年末まで親しかった友人たちが冷たい目であたしを見てくる

それを想像しただけで、全身に鳥肌が立ってしまう

「葉南さんのこと、ちゃんと理解してくれてる人が同じクラスでいるんでしょ?」

「うん」

「なら、平気ですよ。その人と一緒にいれば、まわりなんて気にならなくなります。本当の自分を見ようとしない人と無理に親しくなる必要なんてないんです。そんな人の近くにいても、己の価値を自ら下がるだけですよ」

「たとえ一人になっても?」

「ええ、ツルんでる必要はないですよ」

片岡君がスッと目を細めた

いつも乗る電車が入ってきて、あたしの髪が乱れた

前髪を整えて、片岡君の顔を見ると、細く冷たい目は消えていた

今の言葉、片岡君の口から出た時はすごく重みがあった

そういう経験をしたことがあるのかな?

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