真面目なあたしは悪MANに恋をする

茉莉side

―茉莉side―


寒い…

もそもそと布団が動く音がして私は目を覚ました

薄目を開けると、ズボンをはいているマサの背中が見えた

私とたいして身長も体系も変わらないのに、大きく見えるのはなんでだろう

私の好みは、違うはずなのに…どうしてマサに惹かれるのだろう

もっと私より身長が高くて、肩幅もあって、筋肉もあって…誰が見ても男らしい男が好きなはずなのに

今までみたいに…誰かの【彼氏】を奪ったわけじゃない

私が欲しいと思って、マサに抱かれた

理想と現実は違うって聞くけど、そんな感じなのかな?

理想に思う男性像と、実際に好きになる男はきっと違うんだ

マサが部屋を出ていくのを見つめたあと私は起き上がった

全身が痛む

打撲と切り傷、一番深い傷が脇腹にあるって言ってた

ケンのバイクの破片が腹に刺さってたって…マサが言ってた

ケンが乗用車に撥ねられそうになった私を守るために、ケン自ら乗用車に突っ込んだって

その接触のときに壊れたバイクの破片が、私に刺さったのだろうって

記憶にないけどね

手を離したところまでは、覚えてる

そのあとは、よく…わからない

ちゃんと意識が戻ったときは、このベッドの上にいた

マサと同じ顔の男が、マサに喧嘩を売ってた

マサは双子なんだ

顔は似てたけど、性格は全然違った

私、マサのお兄さんは嫌いかも

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