真面目なあたしは悪MANに恋をする

茉莉side

―茉莉side―

バーガーを買い終わったマサを見て、私はこの場から一度席を立ちたくなった

「私、ちょっとトイレに行ってくる」

「あ、じゃああたしも…」

「大丈夫。ちゃんと戻るから」

私は席を立つと、トイレのマークを探して歩きだした

どうしていいかわからない

何を話していいかわからない

でも…嬉しい気持ちがあるのも事実

ケンから解放されて、ほっとしていながらも、寂しくなっているのも事実

私はどうしたい?

私はどうすればいい?

わからない

女子トイレに入ると、鏡に移る己の顔を見た

「暗い顔」

自分の疲れている顔を見つめながら、呟いた

気持ちを切り替える

葉南やチョーって人に心配ばかりかけるわけにはいかない

明るい顔で、みんなに接しなくちゃ

さっきはちょっと動揺しただけだよね?

大丈夫

平気だよ
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