真面目なあたしは悪MANに恋をする
消息不明の友人
ショッピングモールに茉莉たちと遊びに行って以来、茉莉が姿を消した

あれから2か月のときが過ぎて、あたしは短大の最終学年になった

無事、2年生に進級できた…のはいいけれど、茉莉は短大にも顔を出さない

学校に聞いたら、茉莉から退学届を受理しているという

茉莉は短大を辞め、どこに行ってしまったのだろう

あたしは家に届いた茉莉からの小包を持って、片岡君の家に向かった

便利屋の事務所のほうに顔を出すと、分厚いファイルとにらめっこをしていたマサ君に迎えてもらった

「どうしたの? チョーがバイトだって知ってるよね?」

「うん」

あたしは頷きながら、便利屋の事務所にあるソファに座った

あたしは就職活動もあることから、バイトの量を減らしてもあった

土日のどちらかを開けてもらい、週2~3回の夕方だけにしてもらった

片岡君はあいかわらず人手が足りないとかで、毎日のようにバイトに出てる

「これ…茉莉から」

あたしは一度開封済みの小包を、マサ君に差し出した

マサ君はテーブルの上に置くと、中身を出した

ケンケンが茉莉のためにあげた腕時計と携帯が入っていた

携帯には付箋が貼ってあり、「解約をお願いします」と書いてあった

マサ君は腕時計と携帯をテーブルに置くと、あたしの顔を見た

「ありがとう。ケンに渡しておくよ」

マサ君は笑顔を見せる

でもどこか寂しそうだった
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