真面目なあたしは悪MANに恋をする

「すみません」

僕は二人に頭を下げた

「良いお友達に恵まれたのね」

「はい」

鈴木先生の言葉に僕は大きく返事をした

中学での苦い体験があったからこそ、今の仲間に出会えた

翔とのことがあったから、今の僕がある

あの出来事がなければ、今も僕は虐られることに苦しんでいるだけの男だったかもしれない

中学校には良い思い出があるわけじゃないけれど、今の僕を導いてくれた思い出がある

「葉南さんとは……」

「二つ返事で、『いいわ』とは言えないけど。貴方達のペースで頑張りなさい」

「ありがとうございます」

僕は深々と鈴木先生にお辞儀をした

こんなに早くわかってもらえるなんて思わなかった

透理、マサ、ケン…そして千明のおかげだよ

ありがとう

「それと…ひとつお願いがあります」

「何かしら？」

「葉南さんとは今、連絡を取り合ってないんです」

「え？」

鈴木先生が驚いた声をあげた

「てっきり私に隠れて会ってるものかと…」

僕は首を横に振った

「いえ。会ってません。鈴木先生の家に行ってから、会わないと葉南さんに言ってあるんです。メールも電話もしてません」

「そうなの？」

「はい」