真面目なあたしは悪MANに恋をする
今夜も、窓を開けて片岡君の背中を見送った

春の暖かい風が、頬を撫でる

ベッドに腰を落として、ため息をつくと肩の力を抜いた

明日で1か月が過ぎるよ、片岡君

あたし、はっきりとした答えが出てない

片岡君と一緒に居たいけど…わかってもらえないお母さんを説得してまで、お母さんの理解を得たいなんて思わない

それなら…って思う

家を出て、片岡君と一緒にどっかに行ってしまいたい

茉莉みたいに全てを捨てて、一人暮らしでもいい

短大なんて通わなくてもいい

バイトの掛け持ちをして、お金を稼いで…片岡君と二人で生活していければ、それでいいって思ってる

お母さんが理解してくれないなら

きっとお母さんはわかってくれない

片岡君を信じてくれない

中学のころの片岡君がどういう人だったか…なんてあたしは知らない

お母さんは知っているかもしれないけど、あたしは知らない

でも今の片岡君なら、あたしは知ってる

お母さんは知らないだろうけど、あたしは知ってるよ

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