真面目なあたしは悪MANに恋をする

彼氏の不機嫌

-片岡side-

『一次会は何時に終わるの? スタバで待ってる』

僕は送信メールの時刻を確認してから、腕時計の針を眺めた

葉南に送ってから30分が過ぎた

葉南から何の音沙汰もない

なんか、苛々する

テーブルに肘をつけると、僕はブラックコーヒーを口に入れる

…苦い

ココアにすれば、良かった

週末は葉南と過ごしたかったから、ここんとこ寝ずに課題をやってたんだ

眠くならないようにって、ブラックのコーヒーにしてみたけど、甘党の僕の口には合わない

葉南、30分も過ぎてるんだよ

良い加減、僕のメールに気づいてよ

それとも気づいているのに、返事ができない状況なの?

それってどんな状況なわけ?

「あれ? 片岡君、用事があるんじゃなかったの?」

コートの隙間から、胸の谷間が見えるように立っている女が僕に話しかけてきた

えっと…だれだっけ?

ユナだっけ?

ミクだっけ?

合コンのときにいた子だけど、もう名前、忘れちゃったよ

「用事…あるよ」

ここで葉南を待ってるんだ

「ここ、座ってもいい?」

「なんで?」

「あ…私もここで時間をつぶそうかなって」

「そう、どうぞ。僕は違う席にうつるから」

僕はコーヒーを持って、空いてる席に移動した

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