真面目なあたしは悪MANに恋をする
「葉南っ! バイト、お疲れ様ぁ。クリスマスなのに、バイトだなんて大変だったねえ」

「え? あ…別に」

あたしは首を横に振った

バイトで良かったって思ってるよ

じゃなくちゃ、有り余る時間にどうしていいか、わからなくなるじゃん

ずっと茉莉と寺島君のことを考えて、心がおかしくなっちゃう

でもバイトがあったから、楽しい一日にできた

バイトは別に大変じゃない

楽しいのに、給料までもらって悪いくらいだよ

あたしは片岡君と小指を絡めたのを思い出すと、また小指を見つめた

「葉南? どうしたの? 車に行こうよ! 寺島君の車が、ちょっと離れたところに停めてあるからさ。とりあえず四人で、車に乗ろうよ」

「え? あ…うん」

あたしは茉莉に引っ張られるまま、車に連れて行かれる

行きたくないな…この車には正直、乗りたくない

乗ったら、戻れなくなりそうで…怖い

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