Dear俺様教師【完】





「先生は変わってないと思います。傷ついてる人をほっとけない先生は、話を聞く限り、昔と全然変わってない。それは・・・桜子さん、あなたがよく分かってるはずです」


「・・・実来」


「先生は、あなたが結婚したことで傷ついたと思って、あなたとの関係を続けていたんですよね??先生はあなたをほっとけなかったんです・・・そして先生は、私が章吾との事で傷ついて、今まで助けてくれました・・・何も、変わってないじゃないですか・・・」




実来は、強い目で桜子を見た。


まさか・・・実来に救われるとはな。


やっぱり、俺も実来に救われてたんだな・・最初っから。




「・・・・わかったわ・・・私の負けね・・。子供のあなたにこんな事言われちゃ、返す言葉がないわ。実来ちゃんは、たった一カ月なのに、蓮の事・・・ちゃんと理解してるのね」


「桜子さん・・・・・」


「・・・・蓮の事が、本当に好きなのね・・・」


「え・・・??」


「じゃーね蓮。私は行くわ」


「ああ」


「では、わたくしがお送りします」





そして桜子は、玄関を出て、高橋と出て行った。


全て解決した。


実来に助けられた。


俺はそう思う。




そして実来は、黙ったまま一点を見ていた。




「・・・・実来??どうした??」


「え・・あ、い、いえ!!あれ??桜子さんは?!」


「帰ったよ。サンキューな実来」


「え??私、何かしましたか??」


「・・・ハァ・・何でもない・・」



そして、俺は・・実来を抱きしめた。


でも・・・。



「きゃぁっ!!」


実来に、思い切り拒否られた。



「実来・・??」


「あ、ご、ごめんなさい////」



明らかに、様子が変だった。








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