その瞳に
「じゃあ始めようか
どこがわかんないの?」
「ここ…」つぶやきながら指さす…
自分の指の形が異様に気になってしまう。

先生に見られたくないよ…

「ここは、剰余の………だから…」
「あっわかった!」

先生がいつもの笑顔で笑った。
眼鏡の奥にのぞく先生の瞳は私を見透かしているようで…

やばい…ドキドキしてきた…

「先生ありがとうございました。私、歯医者だから」

「お疲れ様」
私は さよならも言わずに学校の門を出た

ふう。嘘ついちゃった

あのままじゃきっと私は先生の前で泣いてしまっていた。
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