一番星

帰り道。

建斗が『公園によらない?』って言った。

断ることなく近くの公園に寄る。

聖ちゃんとの思い出の公園とは違い出来たばっかりって感じのする公園。


「はい。」

そういって建斗が渡してくれたのはﾐﾙｸﾃｨｰ。


「ありがと。」

受け取って蓋をあける。

立ったままもきつかったから座ろうとしたとき。


「まだ忘れられない?」

そう言った建斗に抱きしめられた。

うろたえる私に『俺じゃだめ?』と聞かれる。

だめじゃない。

でも...

やっぱり聖ちゃんを忘れられない。


「ごめ「おい!」」

私の言葉を遮ったのは建斗じゃない。


「聖ちゃん......」

私の目の前に恐い顔をした聖ちゃんがいた。

もう私の頭は破裂寸前だった。

聖ちゃんがなんでここにいるのか...

なんでそんな顔をしてるのか...

分からない事だらけで建斗に抱きしめられてるのも忘れてた。