一番星
「そういやお前和音の話きかんでいーの?」

教室に戻る途中に聖ちゃんが聞く。

・・・・・・

そうだった!!

放課後掃除なんかしてたら話聞けないじゃん!

和音は学級委員だから授業サボれないし。

それに私もね。

色々頭で考えながら教室に入る。

そのとき黒板に書いてある字に感謝した。

『先生不在のため自習』

ラッキー。

これで和音の話し聞ける!


「和音!
 話聞くの今でいい?」

「いいけど...
 また居残り掃除?」

「ビンゴ!」

和音ちゃんさすがぁ!

私のことわかってるぅ。


「で?
 祐輝くんのことでしょ?」

「あっうん。
 えっとねー。」

そう幸せそうな顔をして話し出した和音の話はこうだった。


土曜日に忘れ物を取りに学校へ行った。

そこで和音は運良く祐輝くんと逢えた。

何故か祐輝くんは和音の名前を知った。

少しだけ祐輝くんと話してから忘れ物を取りに教室へ。

すっかり舞い上がった和音は帰りも少し覗こうと考え急ぐ。

そしたらなぜか靴箱にいた祐輝くんに『来週の試合見にきて欲しい。』って言われたらしい。

で今日はニヤニヤしちゃってると。



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