【連作】六天ニ散リユク花―交わりの章―
一、
六天花と名乗る六人が霞丸のもとに現れてから、季節はひとつ深まり、冬。

乾いた風が、冷たい雪を運ぶ。

庭に降り積もる雪化粧に、付いては消えていく三組の足跡。

灰色の空を見上げて、霞丸は、長い息をついた。
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