恋口の切りかた
「兄上!」

屋敷に着くなり俺を怒声で出迎えたのは、顔を真っ赤にした怒りの形相の平司だった。


「新年の朝から父上に挨拶もせず──何をなさっておいでですか!」

「うるせえ! 平司、それより先生来てるか!?」


平司は激昂(げっこう)して何か言おうとするように口を開きかけたが、

俺の様子と
俺の背中で虫の息になっている、血まみれの刀丸を見て息をのんだ。



「──先生なら道場に」


「わかった」
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