恋口の切りかた
気まずい沈黙が落ちた。


昨日、漣太郎は怒っていないと言っていたけれど、

今だっておれと目が合うとそらすし……

拒絶されているようで話しかけられない。



女だったことが大事件だと漣太郎は言った。

おれが男じゃなかったから、
おれが女の子だったから、


……やっぱり嫌われちゃったのかな。

もう今までみたいに、楽しく遊んだりできないのかな。



おれは悲しくなって、正座した自分の膝元にしょんぼりと視線を落とした。


薄紅色の着物の模様が目に入る。


漣太郎に嫌われた、と思ったら、

一度でいいから自分も着てみたいと思っていた女物のきれいな着物も、
ちっとも嬉しくなくなってしまった。



男に生まれてたら良かったのに……。



そんなことを考えていたら、襖がすっと開いて平司が入ってきた。
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