恋口の切りかた
【漣】
俺は、留玖の姿が離れの中に消えても
留玖の去っていった方をぼうっとながめていた。
左手に持った刀を、力を入れてにぎる。
どのくらいそうやって庭に立ち続けていたのだろう。
日差しはいつの間にか、
黄金色に色づいてかたむいていた。
どこか不吉なその色の中で
ざわざわと、心がさわいでいる。
あの時──
花を試し斬りする俺に対して、花がかわいそうだと言った留玖に
『おまえ、六人も人を殺してるくせに、花がかわいそうはねえだろ』
俺は冗談めかしてそう言おうとしたのだ。
ノドまで出かかったその言葉を、ぎりぎりで止めた。
自分が留玖にひどいことを言おうとしたと、
留玖を傷つけるところだったと
ハッとそう思って──