恋口の切りかた
「しようがねえな」


円士郎は痺れを切らしたように

立ち上がって私のそばまで来て、ぐいっと腕を引っ張って


私の腕の下に肩を入れ、

背中と両足に腕を回して、


提灯を手にしたまま私を軽々と抱き上げた。



すたすたと歩き出す円士郎の腕の中で、


私は今度こそ茹で上がったみたいに

顔が熱を帯びるのを感じた。
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