君のとなり
「ひどいのはどっちだよ。俺が残業とかでいない時、他の男のとこに行ってたの知ってるから。」
悠ちゃんがそう言うと、奈々さんはハッと顔を上げた。
「俺のこと、もう好きじゃないのも分かってる。邪魔しないでくれ。」
アタシをグッと自分の方に寄せて、悠ちゃんはそう言った。
「そんなに愛されてるここちゃんが羨ましい。私ね、1人が嫌なの。悠輔はずっと傍にいてくれなかった。だから……」
「違うよ。悠ちゃんは傍にいてくれたよ。本当に好きなら、毎日傍にいてくれなくても平気だもん。」