恋に恋してる
家に帰ると友里菜さんはいなかった。今日は帰らないらしい。
自分の部屋に戻ると部屋を見渡してソファに腰掛けた
ノックの音がして今日ヘアをやってくれたお手伝いさんがタオルを忘れたと部屋に入ってきた。
ついでにピンを全て外してもらった。

本当に助かりました。ありがとうございました
お手伝いさんは いいのよっと言ってくれた。

自分の娘の髪いじってるみたいで楽しかったわ。

娘さんいらっしゃるのですか?

えぇ、あなたと同じくらいの子がね。そういうと今はもう社会に出ていること、
お手伝いさんは美容師の免許を持っていること、優しいお母さんの手をしていたこと
色々話した。

髪のアップの仕方を教わってたら、ノックの音がまた聞こえた。川上だった。

どうしたの?と言うと恥ずかしそうに、…ネックレス返せよって言われた。

お手伝いさんは失礼します。と言って部屋を出てった。
はいはい、言わなくても返しますよー。自分で取ろうとしたら
外すよ。と急に真面目に言われた。

今日はありがとう。さっきとはまた違う川上にやられそうだった。
ネックレスとピアスを机の上に置いた。

いいの。私何もできなかったし、役に立てたのかもよくわからない
川上がわからないよ。そのありがとうってどんな意味があるの?口に出せずに飲み込んだ。

十分だよ。髪を触られて頬を触られた。さっきの山内を思い出してしまう。



友里菜さんには悪いけど、キスぐらい良いと思った。
川上は気づいている。私がもう川上を好きになっていることを。
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