あしたも来年も


「北岡さんなら、別にほかに誰でも誘えばメシぐらい付き合うって人いるでしょ。わざわざ俺連れてこなくても・・・」

よっぽど嫌なんだろうが、座って15分経ってもコートも脱がずに肩肘ついて皮肉を言う三浦を横目に、適当にオーダーした料理が来る前に運ばれてきた燗に口を付ける

「まぁ・・、別にメシぐらい用事なきゃ断る奴少ないだろ。俺じゃなくても」

「職場の人間と外でまで付き合いしたくないですけどねー、俺は」

現代っ子らしいことを言って、ため息つきながらマフラーだけを首から外す。
一応、諦めて俺に付き合うことにしたらしい

「いちいち上っ面で気ぃ遣ってっからだろ。素でいけよ。」

鼻で笑ってやると、気に入らなかったらしく眉毛がわかりやすく吊り上った

「別に。素ですよ」

「どこがだ。今のが素、かどうかは別として、ほかの奴らの前じゃ大概愛想いいじゃねーか」

「うわっつら・・・って、そりゃ他の人はアンタみたいに俺にズケズケ仕事押し付けてイチイチ冷やかしてこないからでしょーが」

誰が押し付けたよ。
ていうか、冷やかしたか?

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