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酷く暖かな死神の腕の中へ

これは
母の居る病院での話

隣の部屋のお婆さんは
熱心なクリスチャンだった

彼女のヘルパーさんは
その日の明け方

お婆さんの枕元に立つ、
2人の男女を見たと云う。

彼らはなぜかとても幸せそうに
微笑んでいて

ベッドのお婆さんをじっと
見下ろしていたという。

消えてしまった男女に
腰を抜かし、ナースを呼んだ。

その場に残ったのは
いい夢でも見ている様な
微笑みを浮かべたお婆さんだけ。

既に心停止していたそうだ


私は・・どんな
死顔を残していったのだろう


それは頭で
考えていたのか

心で想ったのか


人は生まれて
死んでいくもの


せめて死だけは__

神に許されたものでありたい

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