箱入りお姫さまの秘密事


「凄く人懐こくて、優しくて、いざという時に守ってくれるお兄ちゃんみたいな存在でした」


いつも階段から落ちそうになった私を助けてくれたケイタ


迷子になった私を探しに来てくれたケイタ


私はケイタのことを考え、うっとりしながら話すと


「ふぅん」


と大塚さんは機嫌悪そうに反応した



「あれ?元気ないですね
この紅茶嫌いでした?」




「いや
そんなことないよ
とてもいい香りで…


そういえば
どうして独り暮らしをしようとしたの?君の通ってた大学ってかなりハイレベルでお嬢様学校じゃなかった?」




大塚さんは紅茶を飲みながら、目だけをこちらに向けて言った



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