『降下を志願する』

午後4時20分

車両部隊の無線のやり取りを聞いていて、動揺したのだろうか。

ブラックホーク・スーパー61のパイロット、クリフ・ウォルコット准尉の注意力は明らかに落ちていた。

そんな彼を怒鳴るように。

「RPG!」

同じ機体の乗員が叫ぶ。

ハッとするウォルコット。

ヘリの右側面に位置するビル。

その屋上に、RPG-7を構える民兵の姿!

咄嗟に操縦桿を傾ける。

発射されるロケット弾。

間に合わない!

ロケット弾はブラックホーク後部のテイルローターに命中!

「うぁぁあぁあっ!」

乗員達は思わず声を上げた。

制御を失って回転する機体。

鳴り響く警告音。

ヘリのコントロールが効かない!

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