『降下を志願する』

午後4時22分

別のヘリからの映像をモニターで見ていた司令部は騒然とする。

「ブラックホークの墜落を確認、ブラックホークの墜落を確認!」

上擦った声で叫ぶオペレーター。

…ガリソン少将は努めて冷静さを保とうとしていた。

だが腕を組んだままのその表情は険しい。

米軍が誇る当時最新鋭の軍用ヘリ、MH-60 ブラックホーク。

性能も、攻撃力も、他国の軍用ヘリと比較しても群を抜いている。

それが撃墜された。

しかも、ろくな装備を持たない、たかが民兵のRPGによって。

…いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。

瞬時に頭を切り替え、ガリソン少将は指示を出す。

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