雨に恋した華
頬が緩みそうになるのを必死に堪え、虹ちゃんに会える事に胸を弾ませながら足早に歩いていた。


虹ちゃんとの関係は、相変わらず順調だったけど…


9月に入ってからは、あたしが先月末に行われた体育祭と今回の文化祭の準備に明け暮れていたから、彼と会う暇が全く無かった。


だから今日、虹ちゃんと会える事がすごく楽しみだったし、何よりも嬉しかった。


「紫!」


階段を降りようとした時、後ろから呼ばれて慌てて振り返った。


その瞬間、笑みが零れた。


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