雨に恋した華
「あたし、先に帰るね!」


「はいはい」


「じゃあ、またね!」


「うん、ばいばい!」


急いで帰り支度を済ませて言うと、千晶は笑顔で手を振った。


「うん!」


あたしも笑顔で手を振り返してから、教室を後にした。


心が弾んで、自然と早足になっていく。


笑顔が零れるのを感じながら、蒸し暑さを感じる廊下と階段を進んで靴を履き替えた。


それから、バッグからお気に入りの折り畳み傘を取り出し、雨の中を走り出した。


< 49 / 461 >

この作品をシェア

pagetop