突然の出会い
３．新事実
＊＊＊＊＊


僕が大学4年生だった時の事だ。


茜に言われてからは上手く息を抜きながら生活する事が出来ていたから楽しかったよ。


その日僕は急いでたんだ。


だから、人とぶつかってしまった。


「すみません、周りを見ていなくて……」


「いいえ、此方こそよく見ていなくてすみません」


僕がぶつかったのは中年の女性だった。


大量の荷物を持っていたので、僕がぶつかったときにばら蒔いてしまった。


「本当にすみません、中身はフルーツですね。弁償させていただきます」


「大丈夫ですよ、ジャムにしようと思っていたので問題ありませんわ」


そんな会話をしながら散らばったフルーツを拾っていると……


「あの、こっちにも落ちてたんですがこれもそうですか？」


近づいてきたのはここいらの私立中学の制服を着た女の子だった。


僕がぶつかった女性が


「まぁ、ありがとうございます」


「いえ、手伝います」


そう言って僕の目の前にしゃがんで拾いだした。


顔をあげて少女を見てみて僕は驚いた。


……茜ちゃ…ん…！


その子は昔一度だけ会った少女だった。




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