グリンダムの王族
カインとラルフが馬から降りた。
セシルも彼等のもとへ行くと、馬から降りて兄達と向き合う。

「どうなったの?」

「、、、ガルバ王の首をとった」

ラルフの答えに、セシルは、「へぇ~!やるわね」と目を丸くして言った。

「あっちから城を出てきたんだ。
簡単だった」

ラルフは平然と言った。カインがその言葉に苦笑する。
ラルフはカインに目を向けた。

「ゴードのことは、お前に任せる」

カインはその言葉の意味が分からずに、瞬きをした。

ラルフはふっと笑みをうかべると、「ゴードの国王になれと言ってるんだ」と重ねて言った。

「すごい!!」

セシルが目を丸くする。
カインも同じように目を丸くしつつ、「王?!」と声をあげた。

「当たり前だ。
俺はグリンダムの王だ。
グリンダムから離れたこの国の面倒まで見れるか」

ラルフの言葉にカインはしばらく呆然と兄を見ていたが、やがて、「なるほど」と呟いた。

「、、、それなら、宰相は?」

「そうだな。決めないといけない」

「将軍もね」

「そうだな」

カインは少し間をおくと、ふっと笑みを浮かべた。


「でも、王妃はもう決まってる」


カインの言葉にラルフの目が弟を見る。
カインはその目を真っ直ぐ見返して、「ん?」と言った。
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