ー親愛―




三上さんは そのままニコニコ笑顔のまま職員達の間をすり抜けて 私の手を引いたままフロアに戻り、そのままリネン庫に入った




“ゴメン!香坂さん”



両手を合わせて本当に申し訳なさそうに謝る三上さん




私は 本当にワケが分からないまま、頭の中を整理していく




………?! 三上さんは、私をかばってくれたんだ……




“三上…さん?もしかして…”




“本当にゴメン。だけど、今のところ俺と香坂さんが付き合ってるって事にしとけば 多田主任にも迷惑かけないだろうし…。”



“わ、私こそ!!ありがとうございます。助かりました。”




三上さんと私 お互い両手を合わせて2人で謝り合っている姿が なんだかおかしくて笑ってしまう。すると、三上さんもつられて笑う



“本当、香坂さんってイイ娘だな”



思わず赤面してしまう



男の人にそんな風に言われるのは 初めてだった




“じゃ。先に行ってるよ”




先に出て行く三上さんの背中が 妙に広く感じて頼もしかった




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