男子、恋をする
「せっかく綺麗な顔してるのに……。残念だなー」
それでも名残惜しそうにゆっくりと手を離す兄貴に、一抹の不安がよぎったのは俺だけだろうか……。
同性の義姉が出来ないコトを祈りつつ、
「いいからさっさと帰れって」
強引に兄貴の背中を押して追い出した俺の耳元で、
「……貸し1よ。ミスター猫かぶり?」
ジョーカーを手にした最凶のポーカーフェイスは、ニヤリと不敵な笑みでかぼちゃパンツを視界にチラつかせていた。