ばうんてぃ☆はうんど・vol.3~ほーんてっどほすぴたる《改訂版》
「戦闘においては、先に冷静さを失った者の負けです。あなたはわたくしには勝てません」
 と、途端にバトラーの動きが速くなった。
「いきますよ」
 一気に波状的に俺へ襲いかかる。まるで、5人くらいに囲まれてナイフで切りつけられているようだ。
「ぐあっ!」
「痛いですか? もうじき楽にしてあげます」
 これだけ隙のねえ連続攻撃されたら、こっちは反撃することもできねえ。身体を丸めて、急所を守るのが精一杯だ。
「ジル!」
 あかりが叫ぶ。
「来るな! 下がってろ!」
「お優しいですね。ではそろそろ、とどめといきましょう」
 一瞬、攻撃の手が止んだ。と思った次の瞬間――
「アディオス」
 直上から、グルカナイフを2本垂直に突き下ろしてくるバトラーの姿が見えた。1本は背骨、もう1本は喉から胸に突き刺さるコースだ。
 あ、死んだな。そう思った刹那――
 
ぎきんっ!!
 
 鋭い金属音とともに、ナイフごとバトラーの身体が弾かれた。
「ほう?」
 弾いたのはあかりだった。抜き身の忠吉を右手に構えている。
「先ほど映像で見たときにはまさかと思いましたが、どうやらトリックでもなんでもなかったようですね。今のはジャパニーズサムライが使う、バットージュツというやつですか?」
「てか、あんたに説明する気ねーし」
 あ、こりゃ久々にキレてるな。
「すまねえ。助かった」
「選手交代。あたしがやるから」
 俺とバトラーの間に割って入る。
「ナイフ対決ですか? 良いでしょう。お手並み拝見と――」
「これナイフぢゃねーし。お手並みとか拝見する前に、あんたマジ即死だから」
「……言ってくれますね」
「てかさ。マジめんどいんだよね、あーゆーチマチマしたの。あたしの性格に合わないってゆーか。っつーわけで全力ぶっ殺なんで、カキューテキスミヤカに絶命してもらいます、よろー」
「……すいません。言葉がよくわからないのですが……」
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