空色


“ヒュー、熱いねぇ。あんま見せつけんなよ!”

ショージがあたし達をひやかす。

ライアンは笑いながらショージに中指を立ててみせ、あたしの肩を抱いて歩きだす。


あたしはこのバンドで数年前からボーカルをしてる。

ベースのライアンといい感じになったのは、もう半年ぐらい前のこと。

お互い自然にそーゆー関係になり。

ただはっきり付き合おうだとか、好きだなんて言葉を口にしたことはない。

友達以上恋人未満とでも言うんだろうか。

でも何か違う気もする。

恋人であって、そう宣言していないだけである気もする。

そんな曖昧な関係。

“何にする?”

“ダイエットコー…ん、”

不意に唇を塞がれ、ライアンの顔が近くにあった。

自然に目を閉じる。


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