不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-


その目を見た私は、それ以上、アヤにマイとの関係を聞くことはできなかった。



そんな私とアヤの間に、昼休みの終わりを告げるチャイムが響く。



「ほら、ルミ、もう、授業始まっちゃうよ。」



「え、でも、アヤは?」



「私は、透明人間なの。いてもいなくても、問題なし。」



「?」



私には、アヤのいう意味がまったくわからないけど、授業に遅れるわけにもいかず、アヤに「またね。」と声をかけて、梯子を降りる。



その私の言葉に、アヤの返答はなかった。


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