不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
第3節:はじめての友達
教室の中に入ると、そこは予想通り、女の子だらけ。
入学試験のときもそうだったから、別に驚きはしなかったけど、共学に慣れた私にはちょっと違和感がある。
席には生徒の名前が書かれた紙が置かれていた。
(ちょうどよかった。私、こっちに友達いないから、この方が助かるよ。)
私は、自分の名前が書いてある席を見つけ座る。
(やっぱり少し緊張するな・・・)
誰一人友達がいない状況では、前を向いて座っておくことしかやることがない。
そんな時、私の横に座っていた女の子が話しかけてきた。
「ねぇ、私、坂上 雅っていうんだ。よろしく。」
「あっ、私は、柴崎ルミ。よろしくね。」
「ねぇ、柴崎さんってお嬢様?」
坂上雅はいきなり、変な事を聞いてきた。