夜獣2-Paradise Lost-
壹:「来世といわず、現世で殺してやる」
終わらない。

眼前の赤黒く染まった物体をかき集めようとするがまとまらない。

例え夢でも、組み立てることが出来れば会えるはずなんだ。

赤く染まった手の小ささに苛立ちを感じる。

早く、早く、早く。

愚行を繰り返しながら、誰もいない暗闇の中で、君の欠片を組み合わせていた。

夢の続きを求めて止まない。

現在(いま)に帰りたくない。

惨めでも、哀れでも、蔑まれても、君を感じられるのは夢の今だけだ。

ああ、君のいない朝が来る。
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