ハニー*スパイス
この恋は一方通行なんだ。

そんなことわかってる。


やっぱりあたしはどうかしてる。



全身を貫く痛みが、彼に抱かれた唯一の証のような気がして……


もっと傷つけられてもいい……


ずっとそんなことを考えていた。



「椿の花みたいだ……」


シーツに染みた、

あたしの初めての印を見て、岳さんはそう言った。



雪の上に落ちた真っ赤な花みたいにキレイだと。





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