超短編
複雑な機械が、たくさん並んでいる研究室。

そんな機械の中。

あるディスプレイに、色々な図柄が映し出されては、消えていく。


「やったぞ!ついに世界で初めて、心の形の変化を、図形で表示させるソフトの完成だ!」

若き博士はそう叫ぶと。

興奮冷めやらないためか。

傍らに座っている助手兼、被験者の女性の手を握りしめ、小さく上下に振った。

「おめでとうございます・・・。」

頬をピンク色に染めながら、心を覗かれている女性は微笑んだ。

「やはり心の形は、普段はハートなんだなぁ!」

ディスプレイを見つめて、博士は頷いている。


次の瞬間。


ハートの形が、マルくなる。

マルくなって、複雑な形に・・・。


「・・・鈍感。」

聞こえない声で、女性がそっと呟いた。

<終>
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