【短】王子様と罠に落ちた私
そいつの名は上川卓也。


この学園で王子と呼ばれる、全てにおいて完璧な男。


奴はよりにもよって、クラスメイトの前で倉田を手に入れた。


うちのクラスの習性上、二人をおもしろがって応援するに決まっていたし、上川もそれを狙っていたに違いない。


そして、告白の時、俺をちらっと見たのは気のせいではないと思う。



くそっ

上川は王子なんかじゃねえ、悪魔だ!



あの告白のときから、上川は倉田にべったりだ。


あれは倉田をじわりと囲いに覆うとともに、周りへの牽制だと思う。



だが、それがかえって倉田の真の価値に気づかせることになるなんて、奴には計算外だったに違いない。




ざまあみろ!


おぼえとけ、絶対倉田を上川から取り返してみせる!
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